幕田魁心

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果てしなき道!
千葉県立袖ヶ浦高等学校初代校長 
横田貞章

おらが学校、親愛する袖ヶ浦高校の第十回卒業書作展が県立美術館に於いて展示され、その上に十周年記念誌が発刊されるとの事、この二大行事の実施されるにつけ、十年の星霜、流れは早く、流れの底に潜む限りない思い出に、今更の如く、不安、精進, 安堵そして向上の歩みは何時、何処にたどり着けばやむのであろうかと道の運命に思いをいたさざるを得ない。
昭和五十一年の春、 袖ヶ浦高校設立準備委員長の内命を受け、創立する学校の理想、その理想を実現する教育内容、教育は人に在りといわれるとおり 教える者の吐く息、受ける者の吸う息とが合わねばならない。
こんな計案の中で、実は心中穏やかならざるものがあった。
というのは、この君津木更津地区は芸術、特に書道は他地域に比して高水準に在り、地域の既設高校に比肩隊伍して行くことは相当な困
難努力が必要であると常々考えていたのである。
幸いにして師を得、年々に子弟を得て十年の歳月を充分に活かし得て、袖高書道部の存在を世間にも認められ、高校書道界の先達ともなり、奇しくも部員が同志的結合を結び互いに社会に貢献し得る人物として 輩出して来ました。
あの四囲の高校に伍して行く不安さは、何時しか無我進精の修練の場となり、何処に出しても勝るとも劣らな 自負心を抱くに到り、一層の精進の目標を夫々が見出すという部活動諸子にとり幸せな十年の歳月であったと思います。
凡そ道に志す者、理想を心に掲げる者の運命は、果てし無き目標に向ってただひたすらに精進を重ね、目標に漸く近しと思へば、 目標は一段と高く飛翔し、恰も寓話の「青い鳥」の如く果てしない精進を強いていく。
道に携さわる人の宿命を或いは賞で、或いは憐れみ、或いはいつくしみ羨望の念を抱くものである。
我が袖ヶ浦高校の書道部よ、この果つることない道程を、今までそうで あったように将来永遠にそうであって欲しい。
その報いは必ずや人類社会に,自己形成に貢献することを信じつつ。

十年のあゆみは五十年、百年、千年のあゆみを運命づける事を思い、喜びもし、いとおしみもし、道に精進する者の命運を思うこと切なるものがあります。
茲に袖高書道部の永遠に栄えんことを祈念して止みません。